同好会   >   ハイキング同好会   >   ハイキング手帖   >  第5回 ハイキング手帖



   果てしなく続く急階段を前に
   不安を隠せないメンバーら





    長瀞の岩畳と荒川源流

野上峠の手前に氷池がある。この池を見てみたいと誰もが思っていた。天然氷を作っている池の水は、さぞきれいだろうな。ところが標識が目に入ると、皆がっかり。ルートから池に向かうにはかなり降りることになりそう。元気付け、励ましあいながら来たので、降りて、また登ってくるのを想像したくない。そこで、通過となった。頭に天然のかき氷が浮かぶ。


小鳥峠の付近から見えた宝登山は実に高く見えた。まるでピラミッドのように鋭角だ。その登り口にようやく辿り着いた。見上げて、一同青ざめた。果てしなく階段が続いている。眺めているうちに、不思議と、ここを乗り切るファイトが全員出てきた。1歩、1歩、足元さえ見ていけば、やがて上に辿り着く。こうして果てしなく見えた階段を登ったら、試練が待ち受けていた。先にまだ階段があるではないか。そこをなんとか踏ん張り通し、全員が山頂に揃うことができた。秩父盆地や荒川が眼下に見え、遠くに富士山のように凛とした武甲山が見えた。山頂での昼食は格別美味しかった。


宝登山から降りてきて、長瀞駅を過ぎ、お土産屋の店で賑わう通りを抜けた。そこに長瀞の景勝地、岩畳がある。畳を敷き重ねたような岩畳は幅およそ60m、長さ約500mに及ぶ。荒川の浸食でつくられた岩段丘である。ここでしばらく腰掛け、汗で濡れた体を風で乾かした。静かに流れる川とライン下りの船を眺めながら、ゆったりと時間を過ごした。帰りの時刻になると、もうハイキングは終わりかと、後ろ髪を引かれる思いで駅に向かった。秩父盆地を電車の車窓から見ると、宝登山で眺めたときと違い、実に広い。秩父にはいろいろな顔があるようだ。またハイキング同好会で訪れてみたい。



     宝登山から秩父盆地を望む


    笑いの絶えない明るいメンバー


    下山する一行
    今日も充実した一日であった
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